日本語 / ENGLISH

国際NGO / NPO法人 ロシナンテス

急患

ヘルス・アシスタンスのムスタファが私を呼びに来ました。

患者の診察です。1ヵ月半の赤ん坊で、まったく元気がありません。
出血傾向があるようで、深刻な貧血を認めました。

この子の父親は正月に起こった交通事故で亡くなったそうです。

父親の亡くなったあとに生まれてきた子供です。

何とかしたいのですが、この診療所では、どうしようもありません。

難民キャンプのあるショワックの病院まで搬送しました。

そこの病院でも手に負えないとのことで、そこから数十キロ離れたガダーレフまで送ることになりました。私は夜遅かったこともあり、ショワックの救急車に任せてハサバッラ村へと帰りました。

次の日、ガダーレフまで行き、赤ん坊の様子を見ました。
輸血を施されたそうですが、元気は相変わらずありません。

ショワックの医師も気にかけてくれ、電話で赤ん坊の状態を報告しました。

赤ん坊のおばあちゃんが、私に来てくれてありがとうと、私の手に口付けをしてくれました。

村人は、村での診療を望んでいましたが、村での診療には限界があります。
おばあちゃんが、感謝の意味を表してくれたことで、一安心しましたが、どこまで診療を行うか、私のみでなく村人とも考えなければなりません。

なにはともあれ、赤ん坊の運命は、天に任せるだけです。

川原尚行

更新日時: 2008年02月19日