NPO Rocinantes / 特定非営利活動法人ロシナンテス

スーダンで戦うロシナンテたちのブログ

過去のブログより。2005年10月


ようやくスーダンの運転免許を取得した。
ペーパードライバーの海外デビュー。

スーダンは国際免許の協定に加わっていないそうで、
この国で自動車を運転するにはスーダンの免許が必要となる。

さて、今までは自国の運転免許証をもっていれば、
スーダンでの運転免許もすぐに発行された。
しかし先月からシステムが変わった。
自国の免許を持っていても、スーダンで
もう一度筆記試験と運転試験を受けねばならない。


筆記試験は3択×10問
問題はアラビア語のみ。

僕はアラビア語がわからないふりをした。
(外国人の特権。都合に応じて喋れないふりをすることができる)
担当者が問題を英語に通訳してくれた。
ついでに半分ぐらいは答えも教えてくれた。

例えば
「50キロで走行している車の車間距離は
19(ナインティーン)メートル、9メートル、9フィートのどれだ?」
「ナイン・・・・」
「そう9メートルだ。正解」
「・・・・」

「では次。クラクションを鳴らしてはいけないのはどこだ?」
「えーと、宮殿の前と・・・・・・・あと・・・・えー・・・・」
「それと学校の前とか病院の前とかだ。はい正解。じゃ次の問題」
「・・・・」

「追い越しは右からか、それとも左からか?」
「右?」
「右からか、それとも左からか?」
「み、みぎ?」
「右からか、それとも左からか?」
「ひ、ひだり?」
「はい正解」
「・・・・」

そんな問題が10問


他に標識についての質問。
紙に描かれた標識を指しながら試験官が僕に英語で訊ねる。
「この標識の意味はなんだ?」
下にアラビア語で説明が書いてあるので、僕はそれを英語に直して答える。
「追い越し禁止です」
「はい正解」
「・・・・」


おかげで筆記は90点で合格。

路上試験は実際に街中を走行。
といっても走行する距離は200メートルから300メートル程度。
あまりにも短い。
これも合格。
ようはシートベルト、ウインカー、サイドブレーキをきちんと使用できて、
ギアチェンジがスムーズにできればいいのだ。


試験は簡単だが、手続きが少し煩雑で、
試験場が遠く、かつ場所がわかりにくいのが難点。
炎天下の街、道を尋ねて歩き回るのはなかなか面倒だった。
・大使館の免許翻訳を得るのに1日
・受験登録と視力検査などに1日
・試験に1日(再試験は3日後)
・免許の発行に1日


荒井繁

12:12 | コメント (261) | トラックバック (0)

過去のブログより。2005年9月


大人が木の枝を振って子どもを追い払うのを目にする事がある。
もしくはそれで叩いての折檻。
アフリカを長く旅行した事がある人はわかると思うが、
このような教育はここらへんの地域では珍しくはない。


先日は特にすごいものをみた。

(おそらく)お母さんが
(おそらく)8歳ぐらいの息子を
木の棒でビッシビッシたたいていた。

僕は思う。何もそんなにたたかなくても、、
しかし母の手は休まない。
地面に転がって泣きわめく子どもをさらに叩く
ビシーー。ビシーーー

すると子どもも反撃。
倒れながらのケリを浴びせる。

正面から母の膝をけった。
それはいけない。

母激怒
強烈な「しなり」の一発をくらわす。
枝が折れた。

すると母、握りこぶしの大きさの石を拾って
子どものおでこに全力でガツン!!!!!
おもわず僕は喚声をあげてしまう。
だめだろそりゃ!

泣き叫びながら逃げるこども
その背中にふりかぶって本気で石を投げる母。
1メートル先の背中に命中。


感想としては
すごい教育だね。


荒井繁

12:52 | コメント (139) | トラックバック (0)

思いつき。シリーズ〈過去のブログより〉開始


昨年末にサーバーが故障したときに
過去のブログは文章もろとも無に帰した。

と思っていたのだが
自分の書いた物は保存してあった。

スーダンを少しでも身近に、
立体に見てもらえるように
今日からしばらくは、通常のブログに平行して
昔の僕が、キーボードに打っていた事も載せていこう。

書かなきゃ始まらないのだ。
載せなきゃ読んでもらえないのだ。
読んでもらえなきゃ、みんなの理解のとっかかりにもなれないのだ。

スーダンを知ってもらいたい僕は書くのだ。


荒井繁

12:33 | コメント (0) | トラックバック (0)


アラビア語で「友達」のことをサディークという。


「おお、友達よ、ナスはいらないか?」
「やあ、友達、このスイカは大きくて甘いよ」
「友達、元気かい?」

などと、市場に行くと声をかけられる。
日本語の感覚でいうと「おにいちゃん」「おねえちゃん」だろうか。
「にいちゃん、新鮮な野菜だよ」
「お譲ちゃん、ちょっとみてよ、このジャガイモ。どうだい?」という風に。

見学に来てくれた学生に、これから野菜を買いに行くと話したら、
彼も行きたいというので一緒に市場へと歩いていった。

その帰り道。
「みんな俺を見るとサワッディーカー、サワッディーカー(タイ語での挨拶)って
挨拶してくるんですけど、スーダンにタイ人はたくさんいるんですか?」
と不思議な顔をして言った。

それはサディークの聞き間違いだよ。


※タイ語の挨拶
女性:サワッ(ト)ディー・カ
男性:サワッ(ト)ディー・クラッ(プ)


荒井繁

12:32 | コメント (0) | トラックバック (0)

どこにある?


金曜日、僕と友人はヌバレスリングを見に行こうとしていた。
スーダン南部に広く住むヌバ民族の伝統文化の一つである。
ハルツーム郊外の広場で毎週金曜に行われているらしい。
会場の大まかな位置は知っている。
あとは目的地の近くに着いたら、その辺りにいる人に詳しく聞こう。


日没1時間前ごろに始まるというので、その頃に到着するようにハルツームの家を出た
そして残り数キロだろうと思う所でまでやってきた。


そこで僕らが道を尋ねたタクシーの運転手は
「ヌバレスリング?」と首をかしげたあと「ああ、あのことか」と独り納得して、
身振り手振りつきで道をおしえてくれた。


「いいか、この道をまーーーーーっすぐ進んで、
左に曲がるアスファルトにでくわしたら、そこを左に曲がって、
しばらくしたら右にまがるんだ」


教えてもらったように直線に車を走らせた。


やがて彼が言っていたとおり、左に曲がるアスファルトにぶつかった。
念のため近くに位置した商店の店員にも道を訪ねて確認することにした。


「こんにちは、レスリングが見たいんですが、ここを左に曲がればいいんですよね?」
そう聞いた僕に返ってきたのは自信のない言葉だった。
「レスリングか~、、、それはね、、、え~と、、、ここを右に入っていけばある、、、よ。」
右には未舗装路が伸びている。


2人の言っている事が違う。
正しいのは右か左か。


おそらくタクシー運転手の方が正しいのだろう。
けれども「右だよ」と教えてくれた人の目の前で左にシュッと曲がるのも失礼なので、
僕らはアスファルトではなく右手に伸びていく土の道を選んだ。


しかし、進めども進めども会場らしきものは見えない。
両脇に家が並ぶ乾燥した路地が続くだけだ。
陽の角度は刻一刻と下がっていく。


知らない場所でも道を教えてくれる。
間違っている事も多いけれど、
そんな暖かさがすきだ。


やはりあそこは左に行くべきだったのだろうと道を引き返し、
今度は先ほどの商店の軒先でマンゴーを食べていた青年に質問をした。


彼の答えも意表を突いた。
「とりあえずここを真っ直ぐ」
その手が指したのは僕らが最初に走って来た方向だった。


2択を1つに絞ろうとしたら、3択問題になった。


不安になった僕は「ヌバレスリングを見た事ある?」と青年に話を振り、
本当に道を知っているのか、失礼にならないようにさぐりを入れた。
僕の問いかけに対して「うん」と彼は満足げにうなずいて言った「あれはすごいよ」。
おお、そんなにすごいのか。それをここまで来て見逃すわけにはいかない。
僕らは青年を助手席にのせ再度出発した。
いそげ。夕日が沈む前に。


さわやかなナビゲーター(手は果汁でベトベトだが)は
迷いもなく、そこを左、ここを右、と案内していく。
その道はタクシーの運転手が示してくれたのとも、
商店の店員が教えてくれたのとも違う。


市場を過ぎ、アスファルトから未舗装路へと入る。
曲がる箇所がわかりにくいが、
次くるときの為に、いや、今夜帰るときのために道を覚えていく。


やがて会場らしきところに着いた。
車を降りたら人々の歓声が聞こえてきた。


直径50メートルほどの会場は、人の背丈の柵にぐるりと囲まれている。
柵には上から布がかぶせてあり、外から内側を覗く事はできない。
熱気と無事に到着した喜びの相乗効果で僕のボルテージは急激に上がる。
「じゃあ、そろそろ戻るよ」そう言って去ろうとする青年を引き止めて、
帰りの交通費に気持ちをのせた額を受け取ってもらった。


一人100SD(約60円)のチケットを購入して、
僕らはヌバレスリングを観戦することができたのであった。


荒井繁

01:37 | コメント (67) | トラックバック (0)

財布の中に見る生活


今日はハルツームのお札の話。


たとえば銀行からもらったばかりの、きれいなお札がある。図1
(直接に紙幣の写真を載せるのは問題があると思われるので、絵で代用)
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図1


多くの国で、お札は長い辺の中央で折りたたむために図2のように線が入っている。
日本ではこれがほとんどだろう。以下折れ目を青線で示す。
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図2


それをさらに半分に折った図3のパターンもある。
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図3


ここからが珍しいことなのだが、
ハルツームでは短い辺の中央で折れて、図4のように跡がついていることがある。
特に、小さな額のお札ほどこうなっていることが多い。
夏目漱石さんの顔に山折りと谷折りをつくって「笑っている顔」や「困っている顔」を作って
遊んだ事がある人はいるだろうが、日本で図4の青線で折る理由はないだろう。
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図4


なぜ、ハルツームではこのような折り目がつくのだろうか?




市民の足はバスである。
平均的なバスには30人ほどが乗る事ができる。
街の中心部と郊外の間にはいくつもコースがあり
朝から晩まで何台ものバスがずっと往復している。

バスが走り出してしばらくすると集金が始まる。
各バスには運転手と、集金係が乗っている。
運賃は距離によって異なるが一路線30~100ディナール(約20円~60円)。
(※100ディナール=1ポンド。
スーダンの通貨単位は多少ややこしいため、後日説明予定)

コインで運賃を払う乗客が多いのだが、紙幣で払う人もいる。
そのたびにいちいちそれをポケットにしまうのも能率的ではないので
バスの集金係は図4のように短い辺でお札を半分に折って、
ひとさし指、中指、薬指の間に挟んでいくのだ。
すると、何枚ものお札を片手で管理できるようになるというわけだ。
彼の手は芸人がつかうハリセンのミニチュアみたいになる。

集金時、片手にはコイン、片手には紙幣。


追記:

クリーニングから戻ってきたYシャツのように、
紙幣の折り目は実に力強くつけられているため、よくその部分から破れる。
人々はセロテープで補強したり、破れた部分をくっつけて再び使用する。
買い物をし、お釣りを受け取る際にボーっとしているとトランプゲームのババ抜きのように、
古文書のような、黒ずんで破れた紙幣を受け取ってしまう事がある。
透明なテープならまだしも、色の異なる黒や緑のテープで補強されているものもある。


荒井画伯

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キッチン・塩


成人男性は一日に呼吸や汗として約900ml、尿として約1500ml、大便中に100mlの合計2500mlの水分を体外に排出する。食事からの水分では足りないので、それに加え少なくとも1リットルは水分を飲む必要があるそうだ。(参考サイト:海外教育旅行メールマガジン

単なる好奇心から3日間に渡って記録をつけてみたのだが、ここで僕は毎日4リットル以上の水を飲んでいる。つまり食事もいれたら5リットル近くの水分を摂取している事になる。日本にいたときに比べトイレに行く回数が増えたとも思わないので、増加分はほとんど汗になっているのだろう。ということは24時間に約3.5リットルも汗をかいているのだ。日本の夏も暑いとはいえ、外で働く人を除けばこれほど汗はかかないだろう。確かにスーダンに来てから料理の味付けが濃くなった。それだけ汗を流していれば、体が塩を求めるのも当然である。

給料をsalary(サラリー)というが、その語源はラテン語のsal(塩)にあるという。古代ローマでは兵士への賃金は塩で払われていた、もしくは塩を買うために兵士に金が与えられた、と説によって多少の差異はあるが、なんにせよ給料と塩の強い関係はゆるがない(ちなみに塩野七生著「ローマ人の物語」文庫版の1巻のp16にもほんの少しだけだが触れてある)。汗になったあとには塩が必要なのだ。ついでの話だが、Salad(サラダ)には「塩(sal)をいれた(ad)」という原義がある。一人ぐらいは「へー!」と驚いてくれたらいいな。


荒井繁

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そこから何が見える?


4日前だったろうか、昼過ぎにバスに乗っていた。
用事があって大使館を訪れた帰り道。

あごのラインからは鍾乳洞のように汗が垂れる。
年季の入ったバスにはクーラーもUVカットのガラスもなく、
窓から飛び込む紫外線はダイレクトに僕の肌に刺さる。暑いというよりも、痛い。
あれ、新しいホクロが増えた?ここにこんな点はなかった気がするが。
ちょっと焦って腕を眺めながら事務所に向かっていた。

UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)のオフィスに近づいたあたりから
何人かが首を伸ばして窓から空を見始めた。
車間距離を気にしながら運転手も何かを見上げている。
乗客の命を預かるドライバーにはあるまじき行為。けしからん。
と思いつつ、つられて僕も彼らの視線を追う。

「あ!」

鉄塔の上に人がいる。
高さ30~40メートルはありそうな銀色の細長い急角度な鉄塔。
白っぽい空を背景に赤い服を着た人が豆粒のように見える。
他に1人、2人いるのかもしれないが遠くて確認できない。

通りには塔を指さして喋りあう人たちがいる。
何ごとだろうかとざわめきだした乗客の会話から僕は情報収集。
「あいつは朝からいるよ」とドライバー。
彼の知っている事実と人々の期待の入り混じった、責任のない噂によると
エチオピアから来た男が
「俺にパスポートを発行しろ!アメリカに行かせろ!でないと飛び降りるぞ!」と
携帯電話の中継塔でわめいているらしい。
それが本当ならば、この行動は彼なりの難民申請なのだろう。

僕が気になるのは、何が彼をそうさせたのかよりも
「やっぱりやめよう」と心変わりをしても、
あのままじゃ彼はもう下には降りられないということだ。
この時間、日中に置かれた金属は、たとえ色が白かろうがおかまいなしに熱い。
そのままクッキーだって焼けそうなぐらいなのだ。
あの距離だ、手袋でもしないかぎり、下まで梯子を握り続けられないだろう。
だからといって上に居続けても脱水になってしまう。

次の日に同じ道を通過したとき、塔には誰もいなかった。
どうなったのだろうか。


荒井繁

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百聞は一見に如かず


先日ブログに書いた巨大な砂嵐の話
スーダン人が言うには
「あれは10年に一度のハブーブだ」
「いえ、20年ぶりの大きさよ」

そのハブーブが街に迫ってきているときの写真をもらったので載せる。
撮影の10秒後に嵐はカメラの場所まで到達した。

Haboob010.jpg
(撮影、星さん)


写った物の大きさや距離がわかりにくいと思うので、
2枚目の右下には比率をあわせた羊のイメージを合成してみた。
羊さんからハブーブまでの距離は200メートル程度。
フェンス越しに、遠くのアパートが飲み込まれかけているのがわかる。

Haboob020.jpg
(クリックすると大きな写真が見れます)


荒井繁

20:23 | コメント (0) | トラックバック (0)

今日の停電は5時間


「暑くて、何も食べる気がしない」
なんて言ってたら、
夏バテのデフレスパイラルにはまってしまう。

近所の市場でにんにくを500グラム、約200円で買ってきた。
昼はAglio Olio e Peperoncino(ぺペロンチーノ)を作った。
そして、その勢いでにんにく醤油も作った。

ちなみに、ここで手に入るにんにくは日本のと比べて匂いも味も控えめだ。
(今パソコンを打ちながら、指を嗅いでみたが匂いは全く残っていない)

万能調味料、にんにく醤油
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荒井繁

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冷やし中華が食べたい


スーダンに暮らす人々は砂嵐のことをハブーブと呼ぶ。

夕方、珍しく勉強をしていたら近所の子どもが外で騒ぎ出したので、
なんだろうかと窓の外に目をやった。
数百メートル先に高層ビルの高さのような茶色い煙の壁が見える。
視野の端から端までうごめく模様が伸びている。
表面にはいくつもの波がぼこぼことふくらみ、ゆっくりとお互いに飲み込みあっている。
まるで目の高さで雲の動きをみているようだ。

あまりにも規模が大きく、僕は理解できなかった。
あの茶色の雲はなんだろうかと思った。
それが規格外のハブーブだと気づいたのは、
しばらく見つめた後だった。

それは津波のように残酷な圧力で迫ってくる。

僕は急いで家中の窓を閉める。
20秒後、カメラを持って外に出ようとした瞬間、
色の濃い突風がドアから流れ込んできた。
目をつぶり、下を向きながら、風に逆らってドアを閉める。
もう嵐の中に入ったのだ。

一瞬で光がなくなった。
数十メートルはあるだろう分厚い砂の煙幕を太陽の光は超えられない。

突然の暗さに目は慣れず、
家にぶつかる砂と風の音だけが聞こえる。
土のにおいが溢れる。
僕は手探りで蛍光灯のスイッチを探す。
照らされた室内の空気は黄色く濁っている。
窓の隙間から小麦粉のように細かい土埃が勢いよく撒き散らされているのだ。
それは空中を漂い、やがて部屋の至る所に平等に降り積もる。
僕にも平等に。

口に入る砂の居心地が悪く、何度もうがいをする。
締め切った部屋は暑さを増して、皮膚を濡らす汗に砂が着く。
扇風機も動かせないが今は仕方がない。
これが止んだらシャワーを浴びよう。

2時間後にはだいぶ風が弱くなったものの
その後もしばらく、感情も無くしつこく吹き込み続け、
既に夜になった部屋には細かい砂塵だけが大量に残された。


砂に覆われた床を歩く。(足跡の部分がもとの色)
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(クリックすると大きな写真が見れます)

荒井繁

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